望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

四角に鉄瓶


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よすみに鉄瓶

 

竹藪に名を伐られた土蔵は黒白 
赤土を塗られた壁を被り
質実剛健は銀の太刀に存ずる
座を外し円を共有 四角に一歩二歩
足取りは並 足跡は浅く濃厚

湯ざめて青光る鉄瓶


竹炭を振りかけ千鳥足

竹繊維に馴染んだ航海は時の底に羞じらう
真空の座を見定めノーブル閃光

貴賤なし電流に畏敬の念 
球形荒野に鉄瓶であろう

 

一休み ひっそり缶けり

木霊は心音  もういいかい 
二筋 三筋 進路は未未


定石は澱んで盤上に白黒

重厚な大理石を配して四角
反転しない屈強さを鋭く
河原で丸石と転がる日々 片隅へ


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