望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

蒼深き寒冷

蒼深き寒冷 蒼深い山道に峠を試みる折り返す山道を登る徒労折り返し点は途切れる徒労直線で斜面を登る日々 頭髪は湯気たち反り返る老いも若きも反り返る一ヶ所を弾くと海老ぞり斜面を転げ上がる速さ 段ボールを尻に滑ろう真底より出口にとどきたい せめぎ凌…

上昇気流

上昇気流 山つらなり水平なる空上昇気流に舞い上がるトンビ解明から分解バラバラ 上からバラバラに墜ちるばらける空に恐怖もあるトンビは知っている明日 切り揉みで墜ちるあさって気流は雨を降らすことを予想する トンビは気流に揉まれて知っている何処まで飛ば…

サラバとさらせ

サラバとさらせ 北西季節風に突きあげたい粗い傷から血しぶき噴き上がる寸前へ幾ばくよ蠅叩き 尻を叩かれて痛いほど腫れ上がる日々 夜空に星一つ見えない星の涙より朝露の滴待ち望むのは朝に残る月青空に命の尽きない月を欲している 季節風よ さらせ吹きさら…

熱量一致

熱量一致 世間に熱量はちぐはぐ危機感を麻酔にかける 一階層に至福 熱量ひた隠し沈黙生き延びることへ熱量同等 糧となるは食い口 苦境を楽しむにも食い口熱量は体温計で目安ほとばしる快適熱量愛する生活である 自分と勝手は一致 熱量を推し量る位置一致する…

500円弁当500坂

500円弁当 昼食は500円給食弁当手作り弁当にしろ材料費500円を越えられない腹半分七分目で500坂へ一粒一粒 飯粒よ有難う スーパーマケットに買い出し割引時間を待ってください 半額シールを待ちましょう半額弁当を手にしたい明日あさっては仕事にありつきたい 厳冬 …

ひとりごとサンタ

ひとりごとサンタ 鉄製ドア 重たい冷感経年 手垢に窓は曇り空コンクリート部屋は冷たい水底足元から震え白髭に鼻水 独居老人は無口に目覚める 年格好はサンタクロース 白髭白髪 痩せた後ろ姿 雪を滑らす樅ノ木で凛々電飾を虚飾と断じて樅ノ木 石つぶてへ眉間は赤々とらえ…

冬月に輝かん

冬月に輝かん 月夜に凍える心境 肌は森に生えて無垢なシワ冬空を月を寒い心境 雪雲を肌に月はたおやか霜降りる稲株に白い艶色の三日月にあり 鋸山の旅路にありて心境 寒風の隙間にビニールは尾を垂れる ハウスに温もりて月見草に肖ろう荒涼と寂寞 師走の満月…

年の瀬架橋

年の瀬架橋 橋桁のかからない年の瀬 天上を垂直に地表へ闇を切り裂いて妖気 怪しげな季節風は妖しく街は雪を促す閑古鳥12を飾る電飾は化石ネオン 冬空よ 食物をはし渡せ川よ 流れを止めるなら冷えた味噌汁一杯を残してくれ北風よ アルコールを含んで吹き荒れ…

赤色スウィングトップ

徳島市 菜の花畑 赤色スウィング 赤色スウィングトップ 一分を惜しんだその生き方DEEN 赤い反発を自主制作 赤いスウィングトップを纏ってもDEENはDEENであるためにDEENを制作赤色スウィングトップ季節外れなくDEEN一色芯 カラス色と対峙するぐちょぐじゃぐじ…

抽出番人

抽出番人 だ―だぁ 爆音のバイク奇声は疾走ローリング少年自転車は静かにジグザグ密告による抽出へ番人「平定仕切れない生活感が番人を静止画とする未来に据える番人は悲哀を抽出して見つめる」 内部フィルムに画角確度取り込む平定でバラけた抽出 機微にそぐ…

指先まで一路

指先に一路 心底に行き先を封じ表情を穏健へ醸し出す足先一路 劣化した靴底を嗜め 車椅子に声かけ 親父威厳は実地に構えた起立 地面に指先敬礼恭順は守備 整備して社会現実を軽やかに享受小柄な体格で不器用 円やかに柔和な軌跡を構築 人中に厚顔を漲らせた …

父性愛散歩

父性愛散歩 レトロな背広の老父細身 八十過ぎ 昭和世代カジュアルにきが引ける修身世代だろう 老父は車椅子と進む散歩 車椅子にかかる重量 それはすがる心情と体重 両肩に懸かるものを超越して気遣いは細身を支えるその年格好より頑健その細身をしならせて疲労困…

ヨモギ星座 母星

ヨモギ星座 セイタカアワダチソウ 黄色豪傑ナイフを揺らすアレルゲンを持たずとも仕掛人 川土手 田んぼ 侵略領域は独特な黄色刀剣は横行セイタカアワダチソウ増殖 正否ススキ茅剣 切っ先をかわされて穂は我が身へ白帆ヨモギ目覚める季節ごとに仕掛人眠れ眠れひかりっこ催眠術 …

大穴から山穴の集落

大穴から山穴 わきたつ白雲 緑の山々 水と空気 いつもそこにあるから 見落としてしまう生命尊厳そんな自然の懐に抱かれる暮らしに異変 その時が来ている 厳然たる自然界 ほんの入り口での暮らしに体力の限界はチラホラから老境へ 雑草に低木で支配された限界…

15登り坂にお婆ちゃん

15登り坂にお婆ちゃん 四国右下の町に私は小旅行春 真っ只中15日 港町を徒歩でゆっくりとならばジロジロ視線がくる見知らぬ町を余所者は空気を汚してはと道義的元来の優柔不断は車を走らせていた港の防波堤に記憶はかけっこしている身体はその早さに追いつか…

花瓶反応

花瓶反応 花瓶が刺激的になる刺激されて美しい花瓶花瓶は生花を飾られ飾り花瓶バイパス指令 伝達物質 パステル世界 本来の花瓶なんだ 薔薇の花を飾られてローズ色に何の躊躇いがあろう 蕀カズラを巻き付けられておとなしい無地の花瓶でいられないよ 疼痛から…

ジョルジュ スーラ漂流中

スーラ漂流者 ジョルジュ・スーラ絵画 アニエール水浴に漂着 精神世界を漂流中 絶海に螺旋階段を鎮めたり プカプカ浮遊 順番待ち漂流者は浮島 一見 精神世界は平安反面 静止した水面 バタバタもがくもがいて さーあ私も同じ状態 場所で順番待ちそれぞれに自…

七色羽ペン

七色羽ペン 山林を上り 森林下り草原星空 夜空に無限の星数 一際 輝く一個に一生一心 一本柱の信頼感 着色された派手さ雄雉 走る走る 疲呼疲呼 猟銃を引き付ける 捕食者のきおひく茂み隠れんぼ 堅実地味にその心は地道にあった 昼夜とはず陰日向に軌道一定に…

命よフェルディナンド

フェルディナンド 肉体は美しい血肉をおおう皮膚必要とするだけの毛髪皮膚のスベスベ感膚と称する美的表情鳴き声をあげたくなる鳴き声を聴かせられない 童話のフェルディナンド 酪農飼育されている雄牛 実在のフェルディナンド体格 性格 優しさフェルディナ…

秋冷の裁定

秋冷裁定 クサガメは野山へ甲羅干しだった 水瓶座に近付きたい一心不乱 傾斜角度15度 酩酊と弛緩 一点に一点で達した 飲まず喰わず即身甲羅になるとは澄まし顔満天は小粋な額縁 月光のみ射し込む枯れ萎んだ部屋一夜にして甲羅 落ち葉の布団で眠りについたま…

岸辺の貴女

岸辺の貴女 岸辺は季節の花により美化される花の心はバクテリアからの自立汚染された花の小さな胸に私は巣くいたい紫外線の言葉でバクテリアを死滅させるメタリック塗装にもなろう花は貴女であって 母性愛は木漏れ日に焦がれよ貴女の心の鼓動を口説きたい私…

限界峠の正義

限界峠の正義 岩石は鋭角な切っ先でむき出し 秋冷に若君は率先二輪 意識がいの正義 意志は罪悪群雄鋭角な岩に飛び込んで左側の権威 脳発信元の基地 スマホは天命にすりかわる秋山に紅葉なす動じない摂理痛感な秋模様 山中の三叉路に期待のランナー眠る 手と…

プラチナ魂

プラチナ魂 人に踏まれること 犬の立ち小便に戸惑う少なさ夜中の公園は男の隠れ家 美的希少を育み珍重 路傍の石を地中へ抹殺金銀への変化を許諾しない公園周囲ベンチで男は様になる女の咥え煙草 意味深な煙りを吹いて静寂 漆黒をかき混ぜ一等星の輝きと自己…

仏生山 街並み情景

高松市仏生山の街並み 街並み憧憬 嘗ての緑酒紅灯は楓蔦 西の空へ名残つよし茜色街並み古式蒼然 旅心は薄暗い灯の軒先に栖をかまえ一夜の投宿旅愁を東へ東の蒼空に天外とせん 空き家にこもった山伏のホラ貝 九字を切り祈祷 夕暮れに行脚する虚無僧着物を染め…

秋の泣き虫

秋の泣き虫 無知と知見を混ぜ交ぜ秋を感覚として捕捉野に鈴虫本体を見切る 黄金虫を取り巻く鳴き声 騒々しさに季節への正否を渦に巻かれる泣き虫五分の魂に気温の変化 木々の彩りで秋と認識した一寸の皮膚感覚 鈴虫を監禁 風情で秋 牢獄の中に無形の季節を造…

空気シャッター切れ

空気シャッターを切れ 空気重量エネルギー台風 破壊工作を目論んでくる +-かを判断 電流を流して破滅型に移行させてしまうのは思惑シャッター 温泉の浴槽に寛ぐ老紳士二人 孫 有名大学で何々 学識者の老紳士たる話しぶり空気は和んでも思惑の摩手空気の扉…

燦々と一粒あたり創成

徳島 海陽町 那佐の峰 山海謳歌 海中 生命出発点の根元に琴線を揺さぶる海流 塩分濃厚な海底で岩色に宇宙的種子を植え付ける過程黎明のあぶくに戻れない塩分を太陽に焦がしてゼロからの再生は太陽風にさらけ出す海底に沈み混む粉砕を逃れ聖なる三角すいを実…

誰かぞ蜻蛉に羽黒

誰かぞ蜻蛉か羽黒 孟宗竹は竹藪の王者と波及する原っぱ王者は王者の節を重ね風雪を刻んだ襞を寛容として原っぱに日陰の礼状 原っぱ癒し系の疑似色弱肉強食に追い落とし誰かぞ飛来する蜻蛉 緑金の裸体 黒い羽はゆらゆら傘に仕立て雨風を呑み込むことで緑金を…

ギリギリ線上の尊徳

徳島県那賀町 西納小学校記念碑 ギリギリの線上 杉の花咲く源 仕訳仕切られて空中ブランコ 宙ぶらりん恐怖の憂き目を廃校跡 廃校記念樹に精霊は投宿の線上 卒業記念樹に纏わるメモリーは空回り 地中にめり込んでいく線上へ地球ゴマは走る 夜は星空観覧車の部…

夏の少女心理

夏の少女心理 少女は50メートル先父母 子供三人の親子を見つめ水中ムラムラと感じる少女なり心理少女は魚の群れを嫌う群衆心理を歯車で潰すのだ 21メートル先にお婆ちゃんとうとう流れる水に静を振り返り孫を見守る孫娘を眼にとらえ二十歳の孫娘を浮かべて…