望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

誰かぞ蜻蛉に羽黒

誰かぞ蜻蛉か羽黒 孟宗竹は竹藪の王者と波及する原っぱ王者は王者の節を重ね風雪を刻んだ襞を寛容として原っぱに日陰の礼状 原っぱ癒し系の疑似色弱肉強食に追い落とし誰かぞ飛来する蜻蛉 緑金の裸体 黒い羽はゆらゆら傘に仕立て雨風を呑み込むことで緑金を…

ギリギリ線上の尊徳

徳島県那賀町 西納小学校記念碑 ギリギリの線上 杉の花咲く源 仕訳仕切られて空中ブランコ 宙ぶらりん恐怖の憂き目を廃校跡 廃校記念樹に精霊は投宿の線上 卒業記念樹に纏わるメモリーは空回り 地中にめり込んでいく線上へ地球ゴマは走る 夜は星空観覧車の部…

夏の少女心理

夏の少女心理 少女は50メートル先父母 子供三人の親子を見つめ水中ムラムラと感じる少女なり心理少女は魚の群れを嫌う群衆心理を歯車で潰すのだ 21メートル先にお婆ちゃんとうとう流れる水に静を振り返り孫を見守る孫娘を眼にとらえ二十歳の孫娘を浮かべて…

業を剛と均して百姓家

百姓家 野菜の煮物 麦飯ふるまわれそうな百姓家百姓家の御膳を開いてしまった尼寺 にわか尼にわかに浮き足立おののく質素 変哲もなくずっと尼寺は浮世離れ離れて山中浮世へ未練は壮絶な女の業 世捨て人は浮き草 浮世離れの山んなか百姓の業を土と均して自給…

百姓平野に空模様

百姓平野 その広さは嵐の前触れ 竜巻と自虐の合間見える合戦場 男の面積感覚は麻痺して音無き風鈴 広大な生活圏に疲労する肉体は閉所恐怖症自己改革と開墾 鍬を持たぬ男は追究される妄想苦悩現代 現実の逃避行は妄想 妄想百姓平野に男の求愛は藻屑と夢想花火…

農夫は坂道にあり

いなか原風景 農夫は坂道 私は黄金色の棚田を懐旧妻を労る農夫の心根を見ている 農夫は妻と二人勾配のきつい坂 その時代時代にそぐう 地下足袋で凌いで来たと語る ぬいぐるみ人形を我が子同然 あやしながら歩く妻 農夫は野良仕事着のまま棚田への坂道を妻の…

何もないけんど風景

なんもないけんど風景 何もないけんど私 そこらに転がってる石 昔のまんま清流太古のまんま山容 断崖は何億年何もないけんど風景 そんな風景に探しもの忘れ物を創作してしまう あなたあなた風景 あなただけに留まりながらあなたに対して風を読むあなたけんど…