望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

幸男は轟く


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幸男の雄叫び


幸男はサラリーマン上がりの初老
老人の悲哀を胸に街角をゆく

三十歳女盛りむちむち下品さこそが女盛り
幸男は伏し目がちにすれ違う女盛り 三十歳に感じ入る
失われた世界から生臭い下品 加齢臭を刺激するのだ
スケベ爺と叩かれる被害妄想
幸男は己れに慟哭の雄叫び
ワーオワーオ 孫娘に贈る雄叫びを轟かす


血気盛んな時代

七人の敵と闘いぬいた幸男雄叫びをあげる
「芸のためなら女房も泣かす」
そんな有名人 芸人の半生を立派と賛美もしなければ畏敬の念もない
孫娘にジイジとジイジ呼ばれ顔が綻ぶ
世間一般の唯のクソ爺こそ強者

拍手なき人生劇場に悔いはなし


ワーオワーオと幸男は爺の雄叫びを上げた


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