望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

指先まで一路


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指先に一路


心底に行き先を封じ
表情を穏健へ醸し出す
足先一路 劣化した靴底を嗜め 車椅子に声かけ

 

親父威厳は実地に構えた
起立 地面に指先敬礼
恭順は守備 整備して社会現実を軽やかに享受
小柄な体格で不器用 

円やかに柔和な軌跡を構築 人中に厚顔を漲らせた


太陽軌道と廻る重石を引き摺って 艶かに積み重ね重ねて父ちゃん色を昇華
息子にかかる十字を分解 共に足先一路に並べたい
妻共々 後に先に一本柱


腰を屈めた妻の分量を決意
追い求めて終演の形
一路 指先まで真っ当だった
天変にくるいなく指先に一路
今 この時をあるがままに


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