望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

カルスト林檎


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カルスト林檎


カルスト岩石は飛び石
無造作な美観は草草の人
無音で足早やに一心
石つぶてを拒絶 傷に嫌悪
傷を我が物として広々


美的希少はカルスト林檎

硝子坂に歪さ投げ掛けて

草の臭いを香水カモフラージュ

破片を突き刺す優越酔狂
我が生々しさへ陶酔


赤く熟すカルスト林檎

食べられた感触を覚えず
ポッんと折れたカルスト
岩石の臭いに心より萎びる

我が渋すぎる食味

 

カルストに腐りかけて
雨に叩き出される
林檎処女の香り


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