望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

空き家に紡いで


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空き家に紡ぐ


蔦に蔓延られた空き家
郵便配達 宅配便も行き過ぎ
すうっと古びた光景に紡がれる


黒ずんだ箪笥に古びた着物 

赤子をあやす人は手拭いにモンペ姿 
凍える夕暮れに立ち向かった

両手を合わせ悲境であろうと

家人は去り際に数えた唄

 

感傷にしたり観賞している他人

蔦を切り裂いてどうにか

内部に混沌する事象を嗅ぎたい

古びた暖簾はすきま風に揺らぐセピア色

 

空き家は薄暮にゆらゆら

唱歌にゆらゆら茅葺き屋根
幼少時代は走馬灯でゆらゆら
懐旧を紡いでほつれていく


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