望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ときめき秋空7000m


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トキメキ秋空


未成熟に光波動は指先から春めきトキメキ
僅かな酸素で七色に到達
壷洞窟を酒倉芳香で充実 
更なる碧空を暗示して亀裂
秋上空7キロ 碧空を割り切れないジェット音

自然発火した爆竹の狂おしさを発信

アケビの種子一粒を選別できない憔悴感

熱いブルーの居心地にささくれる

 

秋真下 誕生純熟度 熟成 
橙色は柿色 緑は堕ちてカラス色
グリンから一粒落下する栗色
僕はこの秋 宙返りする紙飛行機を目視
宙返りする瞬間 あの秋のトキメキを嗅いでいる


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イラクサ部屋


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イラクサ蔓延る部屋


イラクサ部屋


イラクサ蔓延った日常部屋を行き戻り

こんにちは イキイキ山河にありて幾年歳
誰かさんよ 声を掛けたい

あんた誰かさん違うのか
次から次 玉水を蓄えたイラクサ部屋

話し掛けたい言葉でつまづく

おーい猫 こっちこい子

路地を横切ってふてぶてしく走り出すどら猫
あーあ 行ってしまうか


蔓延るイラクサ部屋から冬へ潜り込んで行く
山を駆け上ってまだまだ霧中

河幅を満面にして水粒の記憶は玉水でさらり
あした地下水に還ろうと大地を示す普遍水蒸気


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雲早山恋うた


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雲早恋唄


落ち葉と土の中間を彷徨

我が身の愚かさ支柱一本
石つぶてを纏い固執する取手
松葉を剣にして引き裂きかきむしる
粒子を帯びた身体は錆びつく無音の恐怖

地鳴りはぐらぐら素足を叩く急がせる

幽かな感触で蠢く古人の唄

頭に抱えて道は遥か
雲の果てに山心は早来

雲早山へ口ずさむ恋唄


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田舎色こい恋人


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田舎色こい恋人


月は白粉を施して沈降
緑色スイカへ赤く火照り
青白い冷たい膚の君となる
水色透明の夏 熱い火照りを清流へありのまま透過
雨粒に染み込んだ緑色魂
草地を解放された自由運動
冷たい膚を君となって貫く
赤裸々に昇る生々しい君よ
僕は醒めた緑の中にある
火照る夏色の君に引寄せられて僕は君を秋にしたい
夏色の恋は空気を溶かして

切ない白さの泡で消えていく


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うぐいす色接続


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ウグイス色接続


人里を遥かに茂みざざざ

深味をました地味はざざざ
觜は丸く囀ずりは不器用
鍵先の冷たさでしっかり
木漏れ日に打ち解ける


完熟を目蓋に終着と治め

生梅の袂に心眼をはらして背伸びなし止まり木
急傾斜の肌に細胞をさらり

垂直には下らない名残感


未成熟を割ってウグイス色へ恋接続
点灯する愛おしさ点々
山影に反射する梅一輪の光


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荒野シンドローム


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荒野シンドローム
 

あの日その時点からシンドローム

顔を閉じて口をあけろ
聞き耳を閉じて鼻をあけろ
懐疑を転がして囁く声

宇宙へ伸びるその雄壮

荒野に翌檜よあすなろ

 

荒野の現実は早番だ

夜露から霜降る早朝へ待たされる

根になり草に生るまで待てと言う
股の間からシンドローム

非常階段を上り下り逆宇宙
今もあしたに翌檜あすなろよ


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