望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ビジリアン慣性

雲早山恋うた

雲早恋唄 落ち葉と土の中間を彷徨 我が身の愚かさ支柱一本石つぶてを纏い固執する取手松葉を剣にして引き裂きかきむしる粒子を帯びた身体は錆びつく無音の恐怖 地鳴りはぐらぐら素足を叩く急がせる 幽かな感触で蠢く古人の唄 頭に抱えて道は遥か雲の果てに山…

田舎色こい恋人

田舎色こい恋人 月は白粉を施して沈降緑色スイカへ赤く火照り青白い冷たい膚の君となる水色透明の夏 熱い火照りを清流へありのまま透過雨粒に染み込んだ緑色魂草地を解放された自由運動冷たい膚を君となって貫く赤裸々に昇る生々しい君よ僕は醒めた緑の中に…

うぐいす色接続

ウグイス色接続 人里を遥かに茂みざざざ 深味をました地味はざざざ觜は丸く囀ずりは不器用鍵先の冷たさでしっかり木漏れ日に打ち解ける 完熟を目蓋に終着と治め 生梅の袂に心眼をはらして背伸びなし止まり木急傾斜の肌に細胞をさらり 垂直には下らない名残感…

荒野シンドローム

荒野シンドローム あの日その時点からシンドローム 顔を閉じて口をあけろ聞き耳を閉じて鼻をあけろ懐疑を転がして囁く声 宇宙へ伸びるその雄壮 荒野に翌檜よあすなろ 荒野の現実は早番だ 夜露から霜降る早朝へ待たされる 根になり草に生るまで待てと言う股の…

波浪をしのぐ室戸半島

私の住んでみたい都道府県は高知県の室戸半島だ 大野大地を筆頭する海岸段丘に日本原風景が広がる梁瀬の原生林を源流とする 野根川 その他の河川北川村 馬路村 山合の地区に柚子の香りは匂いたつ平野部の町 安田 田野 東洋 室戸市 奈半利町のなはり語感は哀…

無辺に雪景色

無辺に雪景色 ギスギスした四角い空間 氷柱を溶かす動体視力は性別を儚む掘り下げるほど自己を苛み覗かせる花弁一枚の刹那霜降るチェーン切れ自転車を押して気長糸切れた凧を引き寄せて愛だと熟思 白雪を秘めてさざ波を介さない堅牢度坦懐を雪に纏う素顔は女…

ロン毛エレジー

ロン毛エレジー 天秤に掛けられたロン毛 うすい髪を天骨より束ねる むさ苦しい居心地は快適 岩ナイフに転んだ居心地 辟易むしゃくしゃだ赤銅に焼けた強情は模造 紅葉を胸中に旅愁へブラウン焦げ付くロン毛を払わない焼き印を捺され痛恨の極み 雄叫びはむちゃく…

母心緒

母心緒 飾り棚に二枚の硝子板 冬曇りを拒否するように白 35枚目に飾った硝子板に娘はあの日のまま 一緒に歩いた夫は70枚目に微笑みをうかべる モビール硝子棒は乾燥した音をたてカランカラン 額は追憶を硝子棒に下した 大気の切れ味に過去へ捻れない老境は…

昼月に寝る

昼月に寝る 天上は特殊に遥けき人 七色すうっと光り傷つき背もたれに入る弱々しい白さで切れ切れ隠しとおす香水ブルー 肌荒れなしドーランに安堵どぎつい香水群を下に下に 高い位置故に春けき人影土足を詠む仕方なさ 切れ切れる絹雲をソラムシ 天空ブルーに…

影線路

影線路 ガタンゴトン 風になる 山奥に影は走って揺らぐ心意気も絶え絶えた 老夫婦は根を刈りとる精神衛生を保温する鍵 我が子は峠越えを拒否茅葺き家屋に売り看板 昨日まで山に抱かれた一人猟犬は檻の中に垂れ流し猫は杉林の元で山猫ガタンゴトン 杉林へ走る…

ビジリアン純色

マスク生活で感じること 新型コロナ流行でマスク効能効果を疑問視する者たちは騒ぎ立てるが 要するにつむじ曲がり天の邪鬼 差別をしないといられない馬鹿者だウイルスに効果を発揮せずとも 花粉症 アレルギー鼻炎 副鼻腔炎の患者はマスクを付けだして確実に…