望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

積年10X―year


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梅雨の変遷


 X年前の梅雨時期 農家に縄編み機 トーミなど百姓道具の納まった小屋が立っていた 屋根には朽果てることを象徴するように雑草 しとしと雨が地面に波紋を描く 雨小屋の倒壊を憐れむように小屋の姿をぼやかすのだった 
 それだけの小屋なれど 江戸時代 明治 大正 昭和初期の日本原風景 その時代を生きた百姓の涙と汗 梅雨のしとしと雨が物語っていた


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積年X―year


端々を好み土道 日の目を嗅ぐ忙しなさ
茅に切られる道端にでんぐり読心返し
砂利を集積させた両端を削る浪人心

盛り上った真ん中へ用心深い昆虫歩き
桑の木に冴え渡る甲虫

容易にでんぐり返った
順次舞い上がる霞み柱一本

雨をバラードにした

残骸を土道に贈った
熱気球である空気感

X―year積年は結実

一心が和となって繋いだ

 

一本二歩三歩トーチに点火 

意識は顔をもたげてもがくほど我が刺で蟻地獄
雑草を生い茂る道端の露
元号は精霊として伝道

籠城から熱情をはじいて
顔を持ち上げた
積年10X―year突破口

単純明快 山林を黙々と走り続ける