望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

影線路


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影線路


ガタンゴトン 風になる

山奥に影は走って揺らぐ
心意気も絶え絶えた

老夫婦は根を刈りとる
精神衛生を保温する鍵

我が子は峠越えを拒否
茅葺き家屋に売り看板

昨日まで山に抱かれた一人
猟犬は檻の中に垂れ流し
猫は杉林の元で山猫
ガタンゴトン 杉林へ走る

限界をあっさり通過した
杉葉の裏側に緑の深淵へ

寂寥を満載して影列車
影トンネル封印へ加速


開錠する鍵は子子孫孫
奥山の暮らしは影列車
五十年先にどうあろうか
都会暮らし心理は荒れ地
無人を切開してまみれる
おどろを躊躇なく肥料
さらけ出せるもの緑光
山暮らしは捨て去る心理
限界を超越する走り
堂々と赤々と光明へ


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