望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

業を剛と均して百姓家

百姓家 野菜の煮物 麦飯ふるまわれそうな百姓家百姓家の御膳を開いてしまった尼寺 にわか尼にわかに浮き足立おののく質素 変哲もなくずっと尼寺は浮世離れ離れて山中浮世へ未練は壮絶な女の業 世捨て人は浮き草 浮世離れの山んなか百姓の業を土と均して自給…

百姓平野に空模様

百姓平野 その広さは嵐の前触れ 竜巻と自虐の合間見える合戦場 男の面積感覚は麻痺して音無き風鈴 広大な生活圏に疲労する肉体は閉所恐怖症自己改革と開墾 鍬を持たぬ男は追究される妄想苦悩現代 現実の逃避行は妄想 妄想百姓平野に男の求愛は藻屑と夢想花火…

農夫は坂道にあり

いなか原風景 農夫は坂道 私は黄金色の棚田を懐旧妻を労る農夫の心根を見ている 農夫は妻と二人勾配のきつい坂 その時代時代にそぐう 地下足袋で凌いで来たと語る ぬいぐるみ人形を我が子同然 あやしながら歩く妻 農夫は野良仕事着のまま棚田への坂道を妻の…

何もないけんど風景

なんもないけんど風景 何もないけんど私 そこらに転がってる石 昔のまんま清流太古のまんま山容 断崖は何億年何もないけんど風景 そんな風景に探しもの忘れ物を創作してしまう あなたあなた風景 あなただけに留まりながらあなたに対して風を読むあなたけんど…

土手道レコード盤

阿南市 ほのぼの土手 土手道レコード盤 川土手 雑草生い茂り古道飛び石を見て過ぎたよあの日 土手古道は夏の中舗装道を走る聖火ランナー見守っていたんだ 聖火の白煙 風を冴え渡り 竹日の丸 パタパタと風をきって空気を押し上げ大勢の声援 あれから幾年よ土…

スマホあつい夏

スマホあつい夏 スマホ発信メッセージ熱い厚い輪で包囲アイスクリーム フラッペ容器 冷感を同化してBye Byeスマホ散弾銃 消音器付き プースプスと鈍感音 散弾は急降下にして文字だけの夏 スマホカメラの夏描写 スマホカメラは夏を探す 夏を自由自在に模様が…

人形劇場

人形美学 野獣を掻き立てる生人形美学を原野の野生に誇ろう美学は自信で組立てられない人形美学 野生の血むき出し野獣の強靭さは肉欲生乾き現生を目の前に吊るしてしまう生人形愛の亡霊でもその頂点に居座りたい姫心は麗しき 静止画からスロービデオで人形劇…

綺麗な心ビードロ

綺麗な心ビードロ 一つの地下室に潜んで一点から拡散した飯櫃な玉 何故 地球みたいに丸い何故 高度な知的生命体じゃないのに支配者なんだろう 飯櫃な玉 何千何億の真珠 私たちの大切な思いやり真珠玉に化身 ふにゃふにゃな暴徒にしそう 私の明日窓霧よりもず…

百歳詩人 柴田トヨ

百歳詩人 百歳詩人として一般庶民に指示された詩人 柴田トヨ平明な文章 詩人の人間味 人生経験から滲み出る生言葉詩人柴田トヨ オフクロ詩人の峰は到達出来そうでとどかない マダマダ遥か雲の上 柴田トヨ プロ詩人だその詩集は感動の150万部150万本の薔薇と咲い…

ダダダデーデの唄

ダダダデーデの唄 彼は無心の駅から無垢なまま有人駅へ ガタンゴトン ポーポの音色 彼にはダダダデーデの音楽彼 ほろ苦い純情より純心と言うダダダデーデ (人は自分にふりかからない不遇 障害を垣間見ても 自分は普通であることに安堵普通であるから他人の障…

幸男は轟く

幸男の雄叫び 幸男はサラリーマン上がりの初老老人の悲哀を胸に街角をゆく 三十歳女盛りむちむち下品さこそが女盛り幸男は伏し目がちにすれ違う女盛り 三十歳に感じ入る失われた世界から生臭い下品 加齢臭を刺激するのだスケベ爺と叩かれる被害妄想幸男は己…

ハチ公は花の宿

ハチ公は花の宿 ハチ公のママは晴子「はっちゃんママよ」心底は荒波打ち寄せようと この呼掛けで晴子は波穏やかな湖水にポッカリと浮かんでる 四季折々に晴子の庭 チューリップ バラ 向日葵 コスモス 花*花はスポットライト冬 松葉は鋭き剣先で春を覚醒 モッ…

繭 性春の七十歳

欄の性春 繭の七十年は繭青春期に母繭になるよりも花を習いて花たる道 繭は七十歳独り身の七十歳に酷と言い聞かせる訳自炊を知らない夜な夜な独り言一人ベッドの中で流れない涙涙を流して身体に染みついたのは罰を課す七癖 母繭を拒否した七十年繭は七十歳の…

礼節なきドブ板

礼節なきドブ板 側溝の上を歩いている誰もが無意識なのだコンクリート溝蓋きれて鉄の溝蓋 網目から雑草が覗いている露草の花はドブにおりた何だろう 側溝は農業用水路でありながら汚泥の堆積するドブ溝だった 汚水の悪臭 汚泥は凄絶なまでの排泄物ブクブクと…

絹子 九十歳の峰々

徳島市より剣山を遠望 九十歳の峰々 絹子 独り九十歳夫 娘を見送った大風に葉っぱもがれ枝骨は折られてでもブラリ周囲360度の枝枝に護られて辿り着いた九十年 白髪を越える年季の入った深い顔 迷路の数だけ九十歳小枝の細々とした身体に鋼の骨組み九十歳 絹…

背中合わせの生一本

背中合わせの生一本 背中と背中で重なる何か透明ボード一枚で見えてても正体不明の罠肉体を脅えさせ更に威嚇 善なる魂はマイクロフィルムの中で閉塞背中合わせで前は見えても行き先は180度方向に不明 生一本 何が何だか行き詰まった囲いの中 背中合わせで無…

緑からの逃亡

緑からの逃亡 若葉新緑のはざま青空は区別なく青風をはらんでソヨソヨ絆の綻びを靡かせる 若葉新緑の底辺微かな風に震えてる其処にだけ風の道 すぐ隣の向き合う親愛の若葉 あなたが風にそよいでいることを掴めなかった風を感じずにあなたの微かな揺らぎをと…

母さんの哲学を生きる

高知県田野町 大野台地 母さんの哲学 夕暮れの台地夕焼け暮色にはえて赤色台地やがて赤色は台地に消えて今明日は赤い赤い痛みの台地 根気よく根気よく母さん我が子の垢を振り払う誰とて苦しい目先誰とて止めてしまいたい人間生活それでも母さん怒りて生きた …

桜吹雪よ止まれ

美波町 潮吹き岩 桜吹雪 桜の花 風に舞わなないで流れてる桜 吹雪となって降るよ 身近の大切なあなたきのう出会った人みんな明日を見つけられない今の自分を記憶に残せるどころか必死に過ぎ去ることを待っている音のない桜吹雪に怯えるだけの今 桜吹雪は一年…