望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

相合は藪椿

相合い藪椿 西日は斜面に光サークル ポッと包まれる温もり感藪椿二輪 ひそひそ声域目と目 勘ぐりを捨てる声かけ申し送りは真っ直ぐ不快湿気を密に溶かし 雨滴をさっと走らせる地に赤い傘を手向け母娘傘朝日に艶やか素っぴん 人庭にあらば山茶花 一枚より数千枚め…

とかく青石に鳴き波

とかく青石 はぐれ青石さん現住所 整地にたて割れ縄文ナイフチラチラ内部に硬度チラチラ海に偲ぶ花火は花弁地に埋もれまい反抗反旗とかく鳴き波か歴淳に大浪押し寄せる地の轟き引き込まれる花魂寸分先へ払い退ける誹謗踏み込む足裏の数に本望花火鎮魂を整然整地 盗掘…

青春勝手主義

青春勝手主義 パステル丸太は願い川 切って切ってもパステル素顔三無プラス青春勝手主義 全角度に切り込まれる 全方位に切り忘れ冷蔵庫丸出し傷痕に小心精魂原色を吐き出すパステルゲーム 青春主義はサンセット 自己主義へ新たな船出 青い海にプカプカ遊覧船 丸…

LED眼光

LED眼光 前照灯ビームはLEDビーム ビーム照射は人里を突く ビームにビーム指し違い雄鹿は白い雄叫びに結ぶ ピィ……ピィ…眼で慟哭雄鹿は川渡りへ方向転換月光を眼に自然スクリーン 古里峠に時節ロードショー 山恋し存在は山懐に春霞 ある時代は遠きになりつつ 未来予想図…

春めき駅

新生ビークルDMV 春めき駅 春めくめきめき銀河線路 鉄道敷石きらり難民性両手を出されても独自性 会釈はチラチラ難民性格片足を捕られボットン 片足を引きずっても感謝田舎銀河40%瞬きとおし 難民駅舎は春めきめくべき 難民駅に春めきにめきたい ぽっとんト…

カルスト林檎

カルスト林檎 カルスト岩石は飛び石無造作な美観は草草の人無音で足早やに一心石つぶてを拒絶 傷に嫌悪傷を我が物として広々 美的希少はカルスト林檎 硝子坂に歪さ投げ掛けて 草の臭いを香水カモフラージュ 破片を突き刺す優越酔狂我が生々しさへ陶酔 赤く熟すカル…

地中ミミズ

地中ミミズ 地中にミミズをすかすミミズならば考えた地球を食らい細菌と共存緑の森を育む土と生産原点は暗黒ダストを凝縮 出発は生産性と活性化微生物を産み出した母地球明度を地球誕生日だ グリーンとブルーの地球今岩盤に我等分子を注入比較する対象は自己…

天然原色

天然原色 竹藪の陰影に長時間滞り微妙な単色寒村に仕立てる 出口を探す疲労困憊は真っ白 焦燥感に黒ずむ出口 陰影より射す光りは短時間目覚めた梅一輪より始発ピカッと照射は天然灯台寒村に萎びさせたやわさ海を悟り塩辛さに呑まれる 天然原色を顕す金言 金…

自然行動

自然行動 周囲に鈍感 長いトンネルに塞がれる長いトンネル時間 闇が途切れる瞬間を引き寄せる 常識に捕らわれない心眼 移り変わる自然行動冬空に越冬つばめ寒冷日陰に梅花は純潔長い長いトンネル生活自然行動にふぁっと発見トンネル中に葛藤すれど滑落した土…

赤い伝来

赤い伝来 稲株よ刈田に深く執着稲藁よ切れ切れストローストロー藁に霜攻撃は痛烈切り口から奥底へ冷え冷え青白い星から閃光は降る明日はアッサリ草ぼうぼう 数百年続く執着も時なり 金金金を入れても金金金しがみつくほど赤は赤く鋸鎌の傷口はサクサク誰より…

高純度結晶

高純度結晶 寒波に合間見える感覚麻痺で遣り過ごす塩を吹く疼痛を掻い潜る天候不純に屈指ない素足動機不純を蹴散らす素足寒波に歯向かう素足 寒波を踏み倒す 寒波を飛び越す 寒波から大寒波へ変異 真水は凍結、して太陽へ氷河に不純物を遺せない紆余曲折を重…

ザワザワざわつく日

ザワザワざわつく日 電流に痺れた街角 ネオンは眠りサイン小片を一つ一つ嵌め込み ジグソーパズルを造形ザワザワざわつく日々へ 耳をつんざく怒号 酒に呑まれた酔っぱらい不夜城を花園にした夜蝶 燐粉をばらまき欺く花園から下水道へ挑んで匂いたつ 天上に月…

蒼深き寒冷

蒼深き寒冷 蒼深い山道に峠を試みる折り返す山道を登る徒労折り返し点は途切れる徒労直線で斜面を登る日々 頭髪は湯気たち反り返る老いも若きも反り返る一ヶ所を弾くと海老ぞり斜面を転げ上がる速さ 段ボールを尻に滑ろう真底より出口にとどきたい せめぎ凌…

上昇気流

上昇気流 山つらなり水平なる空上昇気流に舞い上がるトンビ解明から分解バラバラ 上からバラバラに墜ちるばらける空に恐怖もあるトンビは知っている明日 切り揉みで墜ちるあさって気流は雨を降らすことを予想する トンビは気流に揉まれて知っている何処まで飛ば…

サラバとさらせ

サラバとさらせ 北西季節風に突きあげたい粗い傷から血しぶき噴き上がる寸前へ幾ばくよ蠅叩き 尻を叩かれて痛いほど腫れ上がる日々 夜空に星一つ見えない星の涙より朝露の滴待ち望むのは朝に残る月青空に命の尽きない月を欲している 季節風よ さらせ吹きさら…

熱量一致

熱量一致 世間に熱量はちぐはぐ危機感を麻酔にかける 一階層に至福 熱量ひた隠し沈黙生き延びることへ熱量同等 糧となるは食い口 苦境を楽しむにも食い口熱量は体温計で目安ほとばしる快適熱量愛する生活である 自分と勝手は一致 熱量を推し量る位置一致する…

500円弁当500坂

500円弁当 昼食は500円給食弁当手作り弁当にしろ材料費500円を越えられない腹半分七分目で500坂へ一粒一粒 飯粒よ有難う スーパーマケットに買い出し割引時間を待ってください 半額シールを待ちましょう半額弁当を手にしたい明日あさっては仕事にありつきたい 厳冬 …

ひとりごとサンタ

ひとりごとサンタ 鉄製ドア 重たい冷感経年 手垢に窓は曇り空コンクリート部屋は冷たい水底足元から震え白髭に鼻水 独居老人は無口に目覚める 年格好はサンタクロース 白髭白髪 痩せた後ろ姿 雪を滑らす樅ノ木で凛々電飾を虚飾と断じて樅ノ木 石つぶてへ眉間は赤々とらえ…

冬月に輝かん

冬月に輝かん 月夜に凍える心境 肌は森に生えて無垢なシワ冬空を月を寒い心境 雪雲を肌に月はたおやか霜降りる稲株に白い艶色の三日月にあり 鋸山の旅路にありて心境 寒風の隙間にビニールは尾を垂れる ハウスに温もりて月見草に肖ろう荒涼と寂寞 師走の満月…

年の瀬架橋

年の瀬架橋 橋桁のかからない年の瀬 天上を垂直に地表へ闇を切り裂いて妖気 怪しげな季節風は妖しく街は雪を促す閑古鳥12を飾る電飾は化石ネオン 冬空よ 食物をはし渡せ川よ 流れを止めるなら冷えた味噌汁一杯を残してくれ北風よ アルコールを含んで吹き荒れ…

赤色スウィングトップ

徳島市 菜の花畑 赤色スウィング 赤色スウィングトップ 一分を惜しんだその生き方DEEN 赤い反発を自主制作 赤いスウィングトップを纏ってもDEENはDEENであるためにDEENを制作赤色スウィングトップ季節外れなくDEEN一色芯 カラス色と対峙するぐちょぐじゃぐじ…

抽出番人

抽出番人 だ―だぁ 爆音のバイク奇声は疾走ローリング少年自転車は静かにジグザグ密告による抽出へ番人「平定仕切れない生活感が番人を静止画とする未来に据える番人は悲哀を抽出して見つめる」 内部フィルムに画角確度取り込む平定でバラけた抽出 機微にそぐ…

指先まで一路

指先に一路 心底に行き先を封じ表情を穏健へ醸し出す足先一路 劣化した靴底を嗜め 車椅子に声かけ 親父威厳は実地に構えた起立 地面に指先敬礼恭順は守備 整備して社会現実を軽やかに享受小柄な体格で不器用 円やかに柔和な軌跡を構築 人中に厚顔を漲らせた …

父性愛散歩

父性愛散歩 レトロな背広の老父細身 八十過ぎ 昭和世代カジュアルにきが引ける修身世代だろう 老父は車椅子と進む散歩 車椅子にかかる重量 それはすがる心情と体重 両肩に懸かるものを超越して気遣いは細身を支えるその年格好より頑健その細身をしならせて疲労困…

ヨモギ星座 母星

ヨモギ星座 セイタカアワダチソウ 黄色豪傑ナイフを揺らすアレルゲンを持たずとも仕掛人 川土手 田んぼ 侵略領域は独特な黄色刀剣は横行セイタカアワダチソウ増殖 正否ススキ茅剣 切っ先をかわされて穂は我が身へ白帆ヨモギ目覚める季節ごとに仕掛人眠れ眠れひかりっこ催眠術 …

大穴から山穴の集落

大穴から山穴 わきたつ白雲 緑の山々 水と空気 いつもそこにあるから 見落としてしまう生命尊厳そんな自然の懐に抱かれる暮らしに異変 その時が来ている 厳然たる自然界 ほんの入り口での暮らしに体力の限界はチラホラから老境へ 雑草に低木で支配された限界…

15登り坂にお婆ちゃん

15登り坂にお婆ちゃん 四国右下の町に私は小旅行春 真っ只中15日 港町を徒歩でゆっくりとならばジロジロ視線がくる見知らぬ町を余所者は空気を汚してはと道義的元来の優柔不断は車を走らせていた港の防波堤に記憶はかけっこしている身体はその早さに追いつか…

花瓶反応

花瓶反応 花瓶が刺激的になる刺激されて美しい花瓶花瓶は生花を飾られ飾り花瓶バイパス指令 伝達物質 パステル世界 本来の花瓶なんだ 薔薇の花を飾られてローズ色に何の躊躇いがあろう 蕀カズラを巻き付けられておとなしい無地の花瓶でいられないよ 疼痛から…

ジョルジュ スーラ漂流中

スーラ漂流者 ジョルジュ・スーラ絵画 アニエール水浴に漂着 精神世界を漂流中 絶海に螺旋階段を鎮めたり プカプカ浮遊 順番待ち漂流者は浮島 一見 精神世界は平安反面 静止した水面 バタバタもがくもがいて さーあ私も同じ状態 場所で順番待ちそれぞれに自…

七色羽ペン

七色羽ペン 山林を上り 森林下り草原星空 夜空に無限の星数 一際 輝く一個に一生一心 一本柱の信頼感 着色された派手さ雄雉 走る走る 疲呼疲呼 猟銃を引き付ける 捕食者のきおひく茂み隠れんぼ 堅実地味にその心は地道にあった 昼夜とはず陰日向に軌道一定に…